11月上旬のアーカイブ
’17-18 越冬蝶観察(1):泉の森・ふれあいの森①②
’17-18の越冬蝶観察状況を観察地ごとにまとめます。
今季最初の観察地には、神奈川県大和市の泉の森とふれいあいの森を選びました。
泉の森・ふれあいの森①(’17年11月4日)
有名物件である野外教室広場の桑の大木には、今年もムラサキツバメの越冬集団が3箇所に分散して形成されていました。
- ムラサキツバメ(越冬集団) | Arhopala bazalus | 神奈川県大和市
- RICOH CX2
- 5個体の小集団です。
- RICOH CX2
- 4個体の小集団です。
- RICOH CX2
- 葉裏側の個体も含めると、概ね12個体居るようです。
上の写真3枚は、いずれも磯玉網用の長柄の先に取り付けたCX2の「インターバル撮影機能」を使って撮ったものですが、 撮影中に刺激を与えすぎてしまったのか、12個体の最大集団が突然一斉に飛び出し、目の前で集団消滅してしまいました。
「しまった、寄りすぎたか」
と思っても後の祭りです。ガックシ。
なお、他の集団形成ポイントでは、残念ながらこの日は越冬集団を見出すことが出来ませんでした。
泉の森・ふれあいの森②(’17年11月25日)
11月25日にも、今季2度目の観察に泉の森・ふれあいの森を訪れました。
泉の森の野外教室広場の桑の大木では、前回と同様、今回も3箇所に分散して越冬集団が形成されていました。
- ムラサキツバメ(越冬集団) | Arhopala bazalus | 神奈川県大和市
- RICOH CX2
- 中集団です。15個体くらいでしょうか。
- RICOH CX2
- こちらは20個体ほど居るようですが、この葉は前回消滅させてしまった集団が利用していた葉と同一です。 余程条件の良い葉なのでしょう。
- RICOH CX2
- 3個体の小集団です。
他のポイントでは、泉の森の第二駐車場付近のシュロの葉に3~4個体ほどの小集団が出来ていました。
東名脇のアオキの葉でも、計3個体が、単独個体と2個体に分かれて越冬していました。
なお、ふれあいの森のクヌギ、泉の森の古民家付近のアオキ、2年連続で3月まで越冬継続が観察されたハマユウなど、 他にも例年の観察で越冬集団形成の実績があるポイントがありますが、今年は今のところ越冬集団は形成されていません。 特にハマユウは3年連続を期待していただけに、ちょっと残念です。
’17年11月3日:クロマダラソテツシジミ再々々訪③
11月3日。
神奈川県下のクロマダラソテツシジミ発生ポイントの再々々訪③。
帰りがけに発生木のソテツを再チェックしてみたところ、まだ6個体の蛹が残っていました。
- クロマダラソテツシジミ(蛹) | Chilades pandava | 神奈川県逗子市
- SONY α77II + SIGMA 10mm F2.8 EX DC FISHEYE + Kenko teleplus 1.4x MC4 DGX
- 11月4日以降も、もう少しの間発生が継続するということですね。
⑤⑥の個体は真っ黒なので、最初は死亡蛹かと思っていましたが…、
- クロマダラソテツシジミ(蛹) | Chilades pandava | 神奈川県逗子市
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- よく見ると羽化直前蛹のように見えなくもありません。どっちでしょうかね。
羽化個体も開翅個体も撮影できたので、この日の翌週以降、クマソ探索からムラツ越冬集団探索に切り替えていますが、 今回の発生個体数が少なくないこと、2011年には年末までクマソ発生が継続していたことを考えると、年内にもう一度様子を見に来ても良いかな?と思っています。
その他観察した蝶
クロマダラソテツシジミの羽化ラッシュが始まる前には、ウラギンシジミ♀の開翅写真などを撮っていました。
逗子披露山公園では、パンジーの花に綺麗なアゲハが吸蜜に訪れていました。
’17年11月3日:クロマダラソテツシジミ再々々訪②
11月3日。
神奈川県下のクロマダラソテツシジミ発生ポイントの再々々訪②。
活動中個体見られたのでその②としてまとめます。
まず、前回紹介した「羽化その1」個体が飛び出したのは良いのですが、 いきなり自転車と交錯して路上に落下してしまいました。(轢かれた?) 慌てて駆け寄って路上から拾い上げ、近くのソテツの葉上に停まらせた。
- クロマダラソテツシジミ | Chilades pandava | 神奈川県逗子市
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- SONY α77II + SIGMA 10mm F2.8 EX DC FISHEYE + Kenko teleplus 1.4x MC4 DGX
無事でよかった…と思いながら撮っていたが、よく見ると下唇鬚の先に球状の体液らしきものが出ている。 やっぱり自転車に轢かれてしまっていたのか…。 と痛ましく思っていたが、帰宅後の写真整理中に、ソテツから飛び出す前から下唇鬚の先に体液の球は付いていたことに気付いた。羽化時に何かあったのでしょうか。
好天に誘われて他の活動個体も何頭か現れた。但し、現れるのは♀ばかり。
- クロマダラソテツシジミ♀活動個体 | Chilades pandava | 神奈川県逗子市
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- ソテツの葉や幹の周りを巡りながら、時々翅を開いて休む
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- 地上の落ち葉の上でも翅を開いて日光浴。
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- これも♀。ソテツの周囲を巡っているのは産卵のためなのでしょうが、なかなか撮影チャンスが無い。
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- ようやく産卵行動の撮影チャンスが訪れた。…が、残念ながら卵は産み付けられなかったようです。 この子の翅裏の紋様は随分流れてますね。
昼食後、逗子披露山公園へ足を延ばしてみたところ、こちらでもクロマダラソテツシジミが発生していました。
- 披露山公園のクロマダラソテツシジミ | Chilades pandava | 神奈川県逗子市
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- ひとまわり大きいウラナミシジミ♂に交尾を迫られていた個体。(ウラナミは腹端を曲げて今にも交尾しそうに見えた) ということは♀なのかな?ウラナミ♂から逃げ出して地上に降りたところに接近して撮影。
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- ソテツの葉上でじっと静止していた個体。翅を開かないかとLEDライトを照射してみたが開かず。
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- 別個体がやや高い位置で翅を開いてくれた。♀でした。
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- この子も♀だったような記憶があるが、わからなくなってしまった。
- SONY α77II + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO
- ようやく♂が開翅してくれたので、しつこく追いかけまわして撮った。
個体数も少なくなかったので、どうやら発生源はピンポイントでなくそれなりに広い範囲で発生していると見てよいのではないでしょうか。